乗り物

電車(MTR)

優先席

香港の電車内にある優先席。愛嬌のあるデザインに、思わずほっこりしますね。


このような表示が導入されるようになったのは、比較的最近です。とはいえ、優先席の表示がなくても、お年寄りや妊婦さんなど見かけたら、必ずすっと立って席を譲り合うのが昔からの香港のカルチャー。譲る方も譲られる方も、とても自然に反応します。


駅構内のトイレ事情

香港は旅行者にとっても、便利で快適な都市です。が、駅でのトイレ探しに苦労することがあるのでご注意ください。


日本だと、どの駅にも改札内に必ずといっていいほどトイレがありますが、香港では非常に限られた駅にしかありません。その数は、2015年6月現在で10駅のみ。これでも増えたほうです。その他の駅では「改札を出たところにある」とか、さらに「隣接するショッピングモールの中にある」といったことがほとんど。


最近は香港の路線網が発達し、端から端まで電車だけでの移動が便利になりました。が、それと同時に浮上したのがトイレ問題。電車だけの移動時間が長くなれば、それだけトイレの需要も増えます。にもかかわらず改札内にトイレが無いのは「非人道的だ」という声もあるほど。


もちろん、緊急の時には駅員さんに言ってくださいね。場合によっては職員用のトイレに案内してくれます。

スターフェリー

香港島と九龍半島を結ぶ庶民の足、スターフェリー。20分程度の短い船旅ですが、潮風に吹かれながらビクトリアハーバーの両岸の景色を楽しむには、うってつけの交通手段です。地下鉄を使った方が速いけれど、時間に余裕のある時には、私もいつもこれに乗ります。

ちなみに、元同僚の香港人男性は、その昔、なんとスターフェリーの船上で産まれました。お母さんが船の上で突然産気づき、慌てて船長さんが異例のUターンをして岸に戻ろうとしたものの、下船までのわずかな時間も待てずに「つるん」と生まれてしまったとか。さすがに当時は新聞記事にとりあげられるほど話題になったそうです。

スターフェリーは、よく見ると、一隻づつ違う名前がついています。その時に乗船していた午星号にちなんで「午星」さんと名づけられた彼は、毎年誕生日にはスターフェリー乗り場に行って「午星号」を眺める一日を過ごすそうです。

クルーズ船

港町、香港。沢山の数とあらゆる種類の船が常に行き交い、海を眺めていても飽きることがありません。

写真のクルーズ船。地元の香港人にも人気です。
豪華な船内でアトラクションや食事を満喫、翌朝に香港に戻ってくるという一泊ツアー。香港内で禁じられているカジノですが、この船内では可能というのも人気の理由です(外洋に出たところであれば、合法的に実施できるからです)。

夜にはキラキラとイルミネーションを点滅させながら、また霧の深い季節には汽笛を鳴らしながら行き交う様子は、なかなかに情緒があります。

香港の路面電車 トラム

香港島の庶民の足、トラム(路面電車)。香港島の繁華街を東西にのんびりと横断しています。地下鉄やバスは便利で速いけれど、時間に余裕のある時には、私はこれに乗って移動します。

乗り方は簡単。道路のあちこちに停留所があります。ちゃんと屋根がついている箇所もありますが、多くは道路にさりげなく印が描いてありますので、そこに立って待ちます。目の前にトラムが停車して、後ろのドアが開いたら、飛び乗ります。

おススメは二階席。後ろの階段から二階に上がりますが、急こう配なので、かならず手すりをしっかり握りしめて登ってください。二階席の最前列か最後列が、視界が開けていて眺めが良いです。

降りるときには、降車ボタンを押して、前方の階段から。運転手さんの隣にある前方出口の料金箱にコインを入れるか、オクトパスカードをかざして料金を払い、下車します。

万が一、目的の停留所で降り損ねてもあわてずに。停留所間の距離が近いので、次で降りて、歩いて戻りましょう。

人ごみと車とビルの間を縫うようにのんびりと進むトラム。窓を開けて、街の音と風と匂いを感じながらの旅は最高です!

 

ミニバス

香港庶民の足、「小巴(ミニバス)」。路線バスと比べ、短距離の路線を細かくカバーしています。大型バスが通らないようなルートも走ってくれるので、乗りこなせれば便利なシロモノ。


フロントガラスに行先表示はあるものの、途中のバス停の案内はありません。一旦乗り込んだら、窓から外の景色を見て、降りたい場所でベルを鳴らすか「ヤウロッ!(降ります!)」と声を張り上げ、停めてもらいます。終点で降りるのでない限り、土地勘がない観光客には途中下車のハードルが非常に高い乗り物です。


ちなみに、ミニバスは小回りが効き、あまりスピードを落とさずにぎゅいんぎゅいんとカーブを曲がるので、遠心力で体が座席からずり落ちることがあります。安全のために必ずシートベルトを締めてくださいね。

ミニバスで行く赤柱(スタンレー)

香港島南に位置するリゾート地「スタンレー(赤柱)」。この一帯にある海に面したレストランやバーは、どれも西洋的な雰囲気を醸し出していて、香港の街中とはちょっと別世界。

お天気のいい日には、バスに乗ってふらっと散歩に行ってみましょう。スタンレー行のバスは香港各地から出ていますが、私のお気に入りコースは地下鉄・柴湾駅が始発のミニバス(C出口、16M)。

駅裏手からすぐに細い山道に入り、緑の中をくねくねと猛スピードで駆け抜ける迫力!やがて視界が開け、貯水池にかかる大きな橋を渡り、高級住宅街の横で停まります。

ミニバスは小回りが効く分、スピードが出て、乗客が遠心力に翻弄されやすい乗り物です。遊園地のジェットコースター並みのワクワク感が味わえますよw(シートベルトは必ず締めてくださいね!)

自動車

香港のナンバープレート

香港のナンバープレート事情。
通常はアルファベット2文字に数字4ケタという組み合わせが一般的ですが、好きな文字と数字を組み合わせたオリジナルのプレートを取得することもできます。

香港政府では年三回、ナンバープレートのオークションを開催します。そこで自分の希望のナンバーを申請し、落札するというプロセスを経ます。他に入札者がいると、その場でどんどん値段が吊り上りますので、スリリングですね(笑)。

オリジナルプレートは、アルファベットと数字のなかから、上限8文字以内で組み合わせることができます。アルファベットだけでも、数字だけでもいいようです。スペースは1文字と数えます。

写真は、街角で見かけた個人名プレート。「持ち物には名前を書きましょう」の教えも、ここまで来るとは(笑)。
過去には【FACEBOOK】なんていうプレートを申請して落札した人もいるようです。
ちなみに、政府HPに掲載の申請サンプルには【ONLY YOU】という例が。政府に座布団一枚っ!

 

二階建てバス

「の」の魔力

香港の街を走る二階建てバスの後ろ姿。バスには色んな広告がプリントされていて眺めるだけでも楽しいのです。ところで、この広告の商品は…??”なんちゃって日本製”かと思ったら、日本の会社が香港や台湾などのアジア市場向けに売り出しているちゃんとした商品のようです。

【雙喜牌(そうきはい)日本の心丹】
これ、香港人の心をつかむ、うまい名前の付け方してると感心。
雙はダブルの意味、つまり喜びが二つ。中国語の漢字一字で書くと【囍】という文字になります。日本だとなぜかラーメンどんぶりに...よくありがちな模様ですが、中国語では結婚などのおめでたい時に使う字です。日本の結婚式で寿の文字が好まれるのと似ています。牌、とはブランドの意味。

そして、「△△の××」というように【の】を間にいれるワザ!この【の】という文字、香港ではすごい威力があるのです。この文字が日本語のひらがなのひとつであること、英語でいうところのOFの意味だということは香港人には広く知られています。さらに、この「の」があるとつまりは「日本製=高品質だ!」と連想されやすい。なので、実際には日本製でなくても、粗雑品であっても、やたらに「の」を混ぜた意味不明のネーミングが巷にあふれているほど。この商品は本当に日本製なので、堂々と「日本の心丹」と謳ってるわけですね。

【囍】ブランドでおめでたいイメージ、
【日本】で高品質イメージ、そこに
【の】をつけて更にイメージアップ!!